全国の直営店・百貨店に加え、直販サイト「SANYO iStore」にて、多様なブランドの商品を販売している株式会社三陽商会(以下、三陽商会)。サイトに訪れたお客様にファッションをより楽しんでもらうための取り組みについて、同社のデジタル戦略本部課長、花輪俊夫様にお話を伺いました。
Q: SANYO iStoreについて教えてください。
A: SANYO iStoreは三陽商会の直販サイトであり、三陽商会のブランドを複数取り扱っています。直販ならではのブランドラインナップと品揃えを意識し商品を展開しています。
実店舗とECサイトで会員制度を統合しており、全体の運営方針やサービス方針は共通した部分を持っています。ただし、ECサイトではどうしても商品の現物や生地の素材感などが分からないまま購入することになるので、ECサイトで買いづらい部分を解消できるソリューションを導入し、実店舗と変わらないサービスが提供できるよう心がけています。
お客様一人一人の好みに合わせた提案を
Q: バーチャサイズを採用した経緯を教えてください。
A: ファッションECあるあるではありますが、お客様から「サイズが分かりづらい」という声がどうしてもあがってきます。モデルの体型情報で類推はできますが、特に初めてのブランドの商品を買うお客様に対して、サイズ感やシルエットの好みで差が出てきてしまうという課題をなかなか解決できずにいました。解決方法として、お客様の体型から類推されるサイズレコメンドもありますが、中には自身の身長・体重・年齢などの情報をサイト上に入力したくないというお客様もいらっしゃると思いました。
また、採寸スペック上同じサイズでも、タイトに着たい・オーバーサイズで着たいというように、お客様の好みによって適切なサイズが変わってしまうことは多々あります。
バーチャサイズではお客様が過去購入した商品や、寸法を入力することで家のクローゼットの中にある商品と検討している商品との差を確認することができます。お客様にとって最も気持ちいいサイズ感のアイテムを選べるというソリューションに非常に魅力を感じ、導入を決めました。
導入による周囲の反応
Q: 導入によってどのような成果がありましたか。
A: 成果の定義として、コンバージョン率を上げるという観点はもちろんですが、それだけでなく定性的な部分を重要視しています。サイズでお困りのお客様がいるのならそれを解決するツールを入れたい、それで購入に至らなくても、「お客様がご納得した上で判断できるか」をポイントに考えていました。
実際導入してみると、バーチャサイズを使って比較をした方のコンバージョン率は、そうでない方に比べて約2倍高いという成果が出ていました。
さらに印象的に感じたのは、半期に一回行っているNPSアンケートの結果です。サイト内のサービスを列挙して、どれが一番使われ、役に立っているかという設問を設けました。結果、バーチャサイズの商品比較サービスが一番使われているということが分かり、反響を得ているので大変満足しています。
Q: 社内での変化はありましたか。
A: EC関連のことであまりコメントをもらったことがない社内のメンバーから、「あの機能良いね」と言われ、導入してすぐ好感触を得られました。お客様よりも早いタイミングで「分かりやすい」という評価をもらえたので、きっとお客様にも使ってもらえるサービスになるだろうと思いました。
また、社内のサイズに対する意識が変わりました。商品のサイズ情報は倉庫側の手作業で採寸をして、サイトに入力・アップロードされるという仕組みになっていますが、人が行うのでどうしても間違ってしまうこともあります。間違ったサイズ情報をサイト上に載せてしまうと、バーチャサイズのレコメンド結果やサイズ比較の値も変わるので、より厳しくチェックするようになりました。
よりファッションを楽しんでもらうために
Q: ECと実店舗でのお客様の動きに違いはありますか。
A: ここ2,3年で店舗とECの両チャネルを使っているお客様は上昇傾向にあります。店舗のお客様・ECのお客様・両チャネルを使っているお客様を比べると、両チャネルを使っているお客様のLTVがそれぞれの約3倍になっています。店舗では特定のブランドのみ、ECサイトでは複数ブランドにまたがって購入する使い方をされているため、SANYO iStoreを介在することで一つのブランドだけではなく複数のブランドを組み合わせてコーディネートを楽しんでいただいているのではないかと考えています。
そういったお客様に対して、より複数のブランドを組み合わせてコーディネートやファッションを楽しんでいただけるように、「SANYO STYLE MAGAZINE」というWebマガジンを2018年の春からスタートしました。
Q: SANYO STYLE MAGAZINEについて詳しく教えてください
A: これまで三陽商会はブランドごとに単独でブランドPRを行っていましたが、「SANYO STYLE MAGAZINE」は三陽商会では初めてのブランドミックス型のオウンドメディアとなっています。三陽商会の商品に関してだけでなく、ファッションを楽しむ上で困っていることを解決するという観点で運営しており、旬な男性にフォーカスしたインタビュー記事や運気の上がる占いコーデ提案などECサイトとは異なる新しい提案をしています。
Q: これからの方針や解決すべき課題として考えていることを教えてください。
A: 直販サイトとして正しくブランドを扱い、正しく商品を展開し、正しくそれをお客様に届けることを念頭に運営をしていく方針は今後も変わりません。
これらを実現するための課題はいくつかありますが、中でもやはりサイズ感は非常に気にしています。過去購入した商品と、購入を検討している商品と比較することは現在浸透していますが、SANYO iStore内の商品同士を比較したいというアンケートデータもありますので、それらの解決方法が浸透するような取り組みをしていきたいです。
それぞれのブランドの個性を出しつつも、サイト全体の統一感を保つことで、お客様がたどり着きたいブランド、商品を見つける楽しさなどを今後も提供できればと思っています。
ありがとうございました。
全国の直営店・百貨店に加え、直販サイト「SANYO iStore」にて、多様なブランドの商品を販売している株式会社三陽商会(以下、三陽商会)。サイトに訪れたお客様にファッションをより楽しんでもらうための取り組みについて、同社のデジタル戦略本部課長、花輪俊夫様にお話を伺いました。
Q: SANYO iStoreについて教えてください。
A: SANYO iStoreは三陽商会の直販サイトであり、三陽商会のブランドを複数取り扱っています。直販ならではのブランドラインナップと品揃えを意識し商品を展開しています。
実店舗とECサイトで会員制度を統合しており、全体の運営方針やサービス方針は共通した部分を持っています。ただし、ECサイトではどうしても商品の現物や生地の素材感などが分からないまま購入することになるので、ECサイトで買いづらい部分を解消できるソリューションを導入し、実店舗と変わらないサービスが提供できるよう心がけています。
お客様一人一人の好みに合わせた提案を
Q: バーチャサイズを採用した経緯を教えてください。
A: ファッションECあるあるではありますが、お客様から「サイズが分かりづらい」という声がどうしてもあがってきます。モデルの体型情報で類推はできますが、特に初めてのブランドの商品を買うお客様に対して、サイズ感やシルエットの好みで差が出てきてしまうという課題をなかなか解決できずにいました。解決方法として、お客様の体型から類推されるサイズレコメンドもありますが、中には自身の身長・体重・年齢などの情報をサイト上に入力したくないというお客様もいらっしゃると思いました。
また、採寸スペック上同じサイズでも、タイトに着たい・オーバーサイズで着たいというように、お客様の好みによって適切なサイズが変わってしまうことは多々あります。
バーチャサイズではお客様が過去購入した商品や、寸法を入力することで家のクローゼットの中にある商品と検討している商品との差を確認することができます。お客様にとって最も気持ちいいサイズ感のアイテムを選べるというソリューションに非常に魅力を感じ、導入を決めました。
導入による周囲の反応
Q: 導入によってどのような成果がありましたか。
A: 成果の定義として、コンバージョン率を上げるという観点はもちろんですが、それだけでなく定性的な部分を重要視しています。サイズでお困りのお客様がいるのならそれを解決するツールを入れたい、それで購入に至らなくても、「お客様がご納得した上で判断できるか」をポイントに考えていました。
実際導入してみると、バーチャサイズを使って比較をした方のコンバージョン率は、そうでない方に比べて約2倍高いという成果が出ていました。
さらに印象的に感じたのは、半期に一回行っているNPSアンケートの結果です。サイト内のサービスを列挙して、どれが一番使われ、役に立っているかという設問を設けました。結果、バーチャサイズの商品比較サービスが一番使われているということが分かり、反響を得ているので大変満足しています。
Q: 社内での変化はありましたか。
A: EC関連のことであまりコメントをもらったことがない社内のメンバーから、「あの機能良いね」と言われ、導入してすぐ好感触を得られました。お客様よりも早いタイミングで「分かりやすい」という評価をもらえたので、きっとお客様にも使ってもらえるサービスになるだろうと思いました。
また、社内のサイズに対する意識が変わりました。商品のサイズ情報は倉庫側の手作業で採寸をして、サイトに入力・アップロードされるという仕組みになっていますが、人が行うのでどうしても間違ってしまうこともあります。間違ったサイズ情報をサイト上に載せてしまうと、バーチャサイズのレコメンド結果やサイズ比較の値も変わるので、より厳しくチェックするようになりました。
よりファッションを楽しんでもらうために
Q: ECと実店舗でのお客様の動きに違いはありますか。
A: ここ2,3年で店舗とECの両チャネルを使っているお客様は上昇傾向にあります。店舗のお客様・ECのお客様・両チャネルを使っているお客様を比べると、両チャネルを使っているお客様のLTVがそれぞれの約3倍になっています。店舗では特定のブランドのみ、ECサイトでは複数ブランドにまたがって購入する使い方をされているため、SANYO iStoreを介在することで一つのブランドだけではなく複数のブランドを組み合わせてコーディネートを楽しんでいただいているのではないかと考えています。
そういったお客様に対して、より複数のブランドを組み合わせてコーディネートやファッションを楽しんでいただけるように、「SANYO STYLE MAGAZINE」というWebマガジンを2018年の春からスタートしました。
Q: SANYO STYLE MAGAZINEについて詳しく教えてください
A: これまで三陽商会はブランドごとに単独でブランドPRを行っていましたが、「SANYO STYLE MAGAZINE」は三陽商会では初めてのブランドミックス型のオウンドメディアとなっています。三陽商会の商品に関してだけでなく、ファッションを楽しむ上で困っていることを解決するという観点で運営しており、旬な男性にフォーカスしたインタビュー記事や運気の上がる占いコーデ提案などECサイトとは異なる新しい提案をしています。
Q: これからの方針や解決すべき課題として考えていることを教えてください。
A: 直販サイトとして正しくブランドを扱い、正しく商品を展開し、正しくそれをお客様に届けることを念頭に運営をしていく方針は今後も変わりません。
これらを実現するための課題はいくつかありますが、中でもやはりサイズ感は非常に気にしています。過去購入した商品と、購入を検討している商品と比較することは現在浸透していますが、SANYO iStore内の商品同士を比較したいというアンケートデータもありますので、それらの解決方法が浸透するような取り組みをしていきたいです。
それぞれのブランドの個性を出しつつも、サイト全体の統一感を保つことで、お客様がたどり着きたいブランド、商品を見つける楽しさなどを今後も提供できればと思っています。
ありがとうございました。
全国の直営店・百貨店に加え、直販サイト「SANYO iStore」にて、多様なブランドの商品を販売している株式会社三陽商会(以下、三陽商会)。サイトに訪れたお客様にファッションをより楽しんでもらうための取り組みについて、同社のデジタル戦略本部課長、花輪俊夫様にお話を伺いました。
Q: SANYO iStoreについて教えてください。
A: SANYO iStoreは三陽商会の直販サイトであり、三陽商会のブランドを複数取り扱っています。直販ならではのブランドラインナップと品揃えを意識し商品を展開しています。
実店舗とECサイトで会員制度を統合しており、全体の運営方針やサービス方針は共通した部分を持っています。ただし、ECサイトではどうしても商品の現物や生地の素材感などが分からないまま購入することになるので、ECサイトで買いづらい部分を解消できるソリューションを導入し、実店舗と変わらないサービスが提供できるよう心がけています。
お客様一人一人の好みに合わせた提案を
Q: バーチャサイズを採用した経緯を教えてください。
A: ファッションECあるあるではありますが、お客様から「サイズが分かりづらい」という声がどうしてもあがってきます。モデルの体型情報で類推はできますが、特に初めてのブランドの商品を買うお客様に対して、サイズ感やシルエットの好みで差が出てきてしまうという課題をなかなか解決できずにいました。解決方法として、お客様の体型から類推されるサイズレコメンドもありますが、中には自身の身長・体重・年齢などの情報をサイト上に入力したくないというお客様もいらっしゃると思いました。
また、採寸スペック上同じサイズでも、タイトに着たい・オーバーサイズで着たいというように、お客様の好みによって適切なサイズが変わってしまうことは多々あります。
バーチャサイズではお客様が過去購入した商品や、寸法を入力することで家のクローゼットの中にある商品と検討している商品との差を確認することができます。お客様にとって最も気持ちいいサイズ感のアイテムを選べるというソリューションに非常に魅力を感じ、導入を決めました。
導入による周囲の反応
Q: 導入によってどのような成果がありましたか。
A: 成果の定義として、コンバージョン率を上げるという観点はもちろんですが、それだけでなく定性的な部分を重要視しています。サイズでお困りのお客様がいるのならそれを解決するツールを入れたい、それで購入に至らなくても、「お客様がご納得した上で判断できるか」をポイントに考えていました。
実際導入してみると、バーチャサイズを使って比較をした方のコンバージョン率は、そうでない方に比べて約2倍高いという成果が出ていました。
さらに印象的に感じたのは、半期に一回行っているNPSアンケートの結果です。サイト内のサービスを列挙して、どれが一番使われ、役に立っているかという設問を設けました。結果、バーチャサイズの商品比較サービスが一番使われているということが分かり、反響を得ているので大変満足しています。
Q: 社内での変化はありましたか。
A: EC関連のことであまりコメントをもらったことがない社内のメンバーから、「あの機能良いね」と言われ、導入してすぐ好感触を得られました。お客様よりも早いタイミングで「分かりやすい」という評価をもらえたので、きっとお客様にも使ってもらえるサービスになるだろうと思いました。
また、社内のサイズに対する意識が変わりました。商品のサイズ情報は倉庫側の手作業で採寸をして、サイトに入力・アップロードされるという仕組みになっていますが、人が行うのでどうしても間違ってしまうこともあります。間違ったサイズ情報をサイト上に載せてしまうと、バーチャサイズのレコメンド結果やサイズ比較の値も変わるので、より厳しくチェックするようになりました。
よりファッションを楽しんでもらうために
Q: ECと実店舗でのお客様の動きに違いはありますか。
A: ここ2,3年で店舗とECの両チャネルを使っているお客様は上昇傾向にあります。店舗のお客様・ECのお客様・両チャネルを使っているお客様を比べると、両チャネルを使っているお客様のLTVがそれぞれの約3倍になっています。店舗では特定のブランドのみ、ECサイトでは複数ブランドにまたがって購入する使い方をされているため、SANYO iStoreを介在することで一つのブランドだけではなく複数のブランドを組み合わせてコーディネートを楽しんでいただいているのではないかと考えています。
そういったお客様に対して、より複数のブランドを組み合わせてコーディネートやファッションを楽しんでいただけるように、「SANYO STYLE MAGAZINE」というWebマガジンを2018年の春からスタートしました。
Q: SANYO STYLE MAGAZINEについて詳しく教えてください
A: これまで三陽商会はブランドごとに単独でブランドPRを行っていましたが、「SANYO STYLE MAGAZINE」は三陽商会では初めてのブランドミックス型のオウンドメディアとなっています。三陽商会の商品に関してだけでなく、ファッションを楽しむ上で困っていることを解決するという観点で運営しており、旬な男性にフォーカスしたインタビュー記事や運気の上がる占いコーデ提案などECサイトとは異なる新しい提案をしています。
Q: これからの方針や解決すべき課題として考えていることを教えてください。
A: 直販サイトとして正しくブランドを扱い、正しく商品を展開し、正しくそれをお客様に届けることを念頭に運営をしていく方針は今後も変わりません。
これらを実現するための課題はいくつかありますが、中でもやはりサイズ感は非常に気にしています。過去購入した商品と、購入を検討している商品と比較することは現在浸透していますが、SANYO iStore内の商品同士を比較したいというアンケートデータもありますので、それらの解決方法が浸透するような取り組みをしていきたいです。
それぞれのブランドの個性を出しつつも、サイト全体の統一感を保つことで、お客様がたどり着きたいブランド、商品を見つける楽しさなどを今後も提供できればと思っています。
ありがとうございました。